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主に住んでいた3人は、高校の同級生かつサーフィン仲間でしたから、生活のかなりの部分がサーフィン絡みになっていました。
2階は寝室オンリーだったので、眠るまでは1階の4畳半ほどの部屋と土間で過ごすのですが、4畳半の部屋の壁は、その汚さを隠すために当時のサーフィン雑誌の写真を切り取っては糊でべたべた貼り付けてありましたし、大きなサーフィンのポスターが貼ってありましたし、サーフボードも常時数枚は土間に置かれてますし、ウェットスーツやトランクス等は干してあるし、玄関や窓のガラス部分にはサーフィン関連のステッカーがべたべた貼ってあるし、窓枠や玄関引き戸(皆木製のボロボロです)は全て黄色や水色等のペンキで塗ってあったし、とても「普通の家」には見えず一見サーフショップ?と思うようなたたずまいでした。
家の前には、皆でお金を出し合って買ったワンボックスが停まっています。
このワンボックスは、友人の知人から安く譲り受けた中古の4ナンバー(貨物)のライトエースという車でした。
例に漏れず、サーファー特有の改造を施してあったのは言うまでもありません。
当時は、車でサーフトリップに出て、そのまま車で睡眠を取ってまたサーフィンする、というスタイルが定番でしたので、とにかく車の中で眠ることが出来るのが最低条件です。
後部座席を取り払い、丸太でタイヤハウスの高さまで床上げをしたコンパネ製の床にカーペットを敷きました。
(超巨大で完全フラットな空間の出来上がりです)
天井にもカーペットをボンドで貼り付けました。
壁面は白木のプリント合板をタッピングビスで留めてあります。
(当時のバンなんて、内部は鉄板がむき出しでしたから、内張はタッピングビスだけで留められるんです)
一番後ろの窓は外から赤のシールで目隠し、中央のスライド窓にはカーテン(後にスモークフィルムを貼ったと思います)がついています。
(車体色は真っ赤です)
マニュアルのコラムシフトは、トラックと同じように2速発進が常識です。(笑)
当時の貧乏学生には高値の華であったアルミホイールにラジアルタイヤを履いていました。
パワステなしですから、少し太いタイヤを履いていたせいで、低速でのハンドリングはちゃんと肩を入れた?アクションが要求されます。
そんな手作り感あふれるサーファー仕様の車は、当時の生活には欠かせないものでした。
運転席と助手席のシートはつながっていて、俗に言う「ベンチシート」でしたので、狭苦しいながらも良く3人並んで座っていたものです。
後部の広大な空間は、カーペット敷きの真っ平らな床ですから、横に3人並んで余裕で眠ることができました。
だから、いざ泊まりの時の、前席のシートに寝るか後部で寝るかを賭けた「じゃんけん」は真剣そのものでした。
(運転席や助手席では横になって寝ることが出来ないので、熟睡など出来やしませんから)
その車は、友人が使っていたときにたまたま事故を起こして全損となってしまいました。
その代わりということで、どこかの会社の営業車として使われていた車を入手。
カローラのバン(4ナンバー)です。
こちらも内装など少し触った気がするのですが、残念ながら記憶はかなり薄くなっていまして、詳細は覚えておりません。
恥ずかしながら、ライトエースに履かせていたホイールとタイヤを流用して履いていたこと、車体色は茶色だったこと、くらいが記憶の全てであります。
そうそう、後席を前方に倒して荷室に寝たとき、ハッチバック部の内装を外した時に現れる軽量化用の穴部分にちょうどアキレス腱が来る状態(足首から先はハッチバックドアの中にある状態)にすると、身長170cm程度の人間なら体を全部伸ばして寝ることができたというのを覚えています。(爆笑)
ただ、タイヤハウスがあるので横に3人並んで寝ることは不可能でした。
その車も、黄色い家の前に駐車していました。
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